大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)80 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人久保千里の上告理由第一点について。

被上告人の債権取得の日時については原審で別段の認定をしていないから、所論

は原審の認定しない事実に基く主張である。代位権者の債権が債務者の権利より前

に成立することは必要でなく、また、別段の事由がない限り抵当権者の存するだけ

では代位行使は妨げられない。原判示は相当であつて、所論は採用できない。

同第二点について。

抵当権設定契約に関する所論の日時は原審の認定しないところであるから、所論

は原審の認定しない事実を主張して原判決を非難するもので採用することができな

い。(仮処分前の処分行為に基く登記でも仮処分登記後になされた場合は仮処分債

権者に対抗できないこと当裁判所の判例とするところである。昭和三〇年一〇月二

五日第二小法廷判決、集九巻一一号一六七八頁参照)。

同第三点について。

競落による所有権取得は原始取得でないこというまでもない。所論抵当権の約束

が仮処分前であることは原審の認定しない事実である。原判示の事実関係からは、

抵当権をもつて仮処分債権者に対抗することはできないのであつて、競落による所

有権取得についても同様である。所論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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